脂質制限ダイエットとは、食事における脂質の摂取量を減らすことで、総摂取エネルギーを抑えるダイエット法です。三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物のうち、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを持っています。一方で、たんぱく質と炭水化物はどちらも1gあたり4kcalです。

そのため、脂質の摂取量を制限することで、効率的に摂取カロリーを削減できます。

脂質は、炭水化物やたんぱく質と並ぶ主要なエネルギー産生栄養素の一つであり、1gあたり約9kcalと非常に効率のよいエネルギー源です。

また、脂質は細胞膜やホルモンの構成成分としても重要であり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きを持ちます。さらに、体温の保持や内臓の保護にも関与しています。

現代の食生活において、脂質が不足することはあまり多くありません。しかし、極端に不足するとホルモンバランスの乱れやエネルギー不足を招く可能性があります。

一方で、脂質を過剰に摂取するとエネルギー過多となり、体内に脂肪として蓄積されやすく、肥満の原因に。さらに動脈硬化や脂質異常症（高脂血症）といった生活習慣病のリスクも高まります。とくに肉類やファストフードを頻繁に食べる方は、脂質の摂り過ぎに注意が必要です。

脂質制限ダイエットは、普段から脂質の摂取量が多い人にとって、効果が出やすい可能性があります。脂質は調理油だけでなく、さまざまな食品に含まれており、意識していても摂取量が多くなりがちなため、とくに以下のような方には脂質制限ダイエットがおすすめされます。

【脂質制限ダイエットがおすすめな人】

脂質制限ダイエットを行ううえで、脂質摂取量はどのくらいを目安にするとよいのでしょうか。日本人の食事摂取基準（2025年版）では、脂質の目標量は「摂取エネルギーに対して20〜30％」としています。この目標量とは、生活習慣病の予防や健康の維持を目的に、特定の栄養素について摂取すべき範囲を示したもの。

下記の推定エネルギー必要量から、脂質の目標量を割り出しましょう。

【例】

例えば上記の条件に当てはめると、脂質の目標摂取量は 約46〜68g/日 となります。この範囲を目安にすることで、健康を維持しながら無理のない脂質制限が可能になります。