ケラチンは、髪の約90％以上を構成する主成分で、美しい髪に欠かせない重要なたんぱく質です。髪にハリやコシ、ツヤを与える働きがあり、健康的でしなやかな髪を保つためにはケラチンが欠かせません。

そもそもケラチンとは、18種類のアミノ酸が結合してできた繊維状のたんぱく質の一種で、髪だけではなく、爪や皮膚の角層にも存在する成分です。とくに髪の内部では、ケラチンが規則正しく並ぶことで構造を支え、強度や弾力を保たれています。

しかし、紫外線やヘアカラー、アイロンやドライヤーの熱によるダメージでケラチンは少しずつ失われ、髪のパサつきや枝毛、切れ毛の原因につながることも。こうした状態をケアするためにも、外側からケラチンを補うケアを取り入れるヘアケアアイテムが注目されています。
なかでも、ケラチン配合のトリートメントは、髪にうるおいとまとまりを与えるアイテムとして人気です。

ケラチンにはいくつかの種類があり、原料の違いによって性質や特徴が異なります。髪質や好みの仕上がりに合ったケラチンを含むトリートメントを選ぶと、より効果的なヘアケアを行えます。次の表で、主なケラチンの種類とその性質・特徴をチェックしてみましょう。

アイテムを選ぶ際は、成分表示欄や商品ページを確認し、どのタイプのケラチンが使われているかをチェックしてみるのがおすすめです。

本格的に髪のコンディションを整えたい場合には、同じシリーズ内でアイテムを揃えて使用できるかどうかをチェックしておきましょう。
同じシリーズでライン使いできるケラチン配合トリートメンを選ぶと、ヘアケアをより効果的に行うことが可能です。

シャンプーやヘアマスクなどと成分や設計が統一されることで、ケラチンの浸透や定着をサポートしやすく、髪の手触りやツヤの変化も体感しやすくなります。

ケラチン配合トリートメントには、お風呂で使う「洗い流すタイプ（インバス）」と、ドライヤー前やスタイリング時に使う「洗い流さないタイプ（アウトバス）」があります。以下の表で、それぞれの特徴や使用シーンをチェックしてみましょう。

日常的なケアには洗い流すタイプ、外的ダメージから髪を守りたいときには洗い流さないタイプを取り入れると効果的です。
また、「洗い流さないトリートメント」には、ヘアオイルとヘアミルクの2種類があります。ヘアオイルはしっとりまとまる仕上がりに導きやすく、乾燥や広がりが気になる髪におすすめです。

一方、ヘアミルクは軽やかな使い心地が特徴で、髪が細くボリュームが出にくい方でも使いやすく、ふんわりとした質感に整えたいときに向いています。
このように、髪質や仕上がりの好みに合わせて「洗い流すタイプ」か「洗い流さないタイプ」か選びましょう。

「ケラテックス ファイバー トリートメント」は、羊毛由来の「キューティクルケラチン*¹」を含む4種のケラチン*²が、ハリとコシのある、しなやかな髪に導くトリートメントです。「ハイブリッドシルクポリマー*³」が髪に自然なツヤを与えながら、カラーやドライヤーによるダメージも軽減します。

「ロングラスティング保湿成分*⁴」も配合されているので、髪のパサつきが気になる方やしっとりまとまる仕上がりを求める方にもおすすめのアイテムです。

【ハホニコ ケラテックス ファイバー トリートメント】
3,850円（税込） 編集部調べ

「ディープダメージトリートメントEX」は、30,000ppmの高濃度ケラチン-PF*¹をはじめ、8種のタンパク質*²、23種のアミノ酸*³、5種の植物由来オイル*⁴が贅沢に配合された集中補修型のインバストリートメントです。

パーマやブリーチ、アイロンによってダメージを受けた髪をやさしく保湿し、しなやかで芯のある強い髪へ導きます。フレッシュフローラルムスクとウォームペタルを基調とした、やさしく心地よい香りも魅力です。

【UNOVE（アノブ） ディープダメージトリートメントEX】
2,690円（税込） 編集部調べ

KYOGOKUの「ケラチントリートメント」は、4種類の高純度ケラチン*が100％原液で配合されていることにより、髪の内側と表面にバランスよく作用する集中補修型トリートメントです。

独自のナノリペア技術でケラチンを超微細化し、ダメージホールに素早く浸透するのも特徴。髪の芯まで届けることで、ハリ・コシ・ツヤのあるしなやかな髪へ導きます。
日常のヘアケアに取り入れやすいので、本格的な補修ケアを手軽に続けたい方におすすめです。

【KYOGOKU（キョウゴク） ケラチントリートメント】
7,260円（税込） 編集部調べ

「No.6 ボンドスムーサー」は、紫外線などの外的ダメージにアプローチしながら保湿・保水をサポートすることで、扱いやすい髪へ導くトリートメントです。補修性と保湿性を兼ね備えていますので、ハイブリーチなどによる強いダメージを受けた髪にも使えます。

「ヒマワリ種子油」や「ブドウ種子油」といった保湿成分の乾燥やパサつきによる広がりを抑え、まとまりのある髪に整えてくれるのもうれしいポイントです。硫酸塩フリーやパラベンフリーなど、マイルドな使い心地にもこだわっています。

【OLAPLEX（オラプレックス） No.6 ボンドスムーサー】
3,080円（税込） 編集部調べ

「ケラチン スムージング ヘア マスク」は、「加水分解ケラチン*¹」や「シアバター*²」が配合された濃密インバストリートメントです。乾燥やダメージでパサついた髪にうるおいと柔らかさを与えることで、なめらかで指通りのよい髪に整えます。

パラベン・硫酸塩・DEA不使用で、動物実験を行わない製造体制が採用されているのもポイントです。週に数回、洗髪後に塗布して5分〜10分置くと、サロンのような集中保湿ケアを手軽に取り入れることができます。

【ADVANCED CLINICALS（アドバンスド クリニカル） ケラチン スムージング ヘア マスク】
2,560円（税込） 編集部調べ

「サロン用ケラチン原液」は、高い浸透力を持つ羊毛由来の「加水分解ケラチン*」は高濃度に配合された、インバスタイプの集中補修トリートメントです。
髪の内部に浸透しやすい仕様で、ハリ・コシを感じやすい、しなやかで扱いやすい髪へと導きます。

着色料、アルコール、パラベン、シリコン、鉱物油、紫外線吸収剤、酸化防止剤が使用されていないので、髪と頭皮へのやさしさにも配慮されているアイテムです。

【Natural Brand（ナチュラルブランド） サロン用ケラチン原液】
2,934円（税込） 編集部調べ

「ディープダメージリペアヘアマスク」は、独自の「PRO-V」とケラチンの組み合わせにより、ダメージ補修、集中保湿、枝毛の防止、切れ毛の防止、くせ毛ケアに着目した仕様が特徴のトリートメントです。ダメージを補修しながら、ハリとコシのあるなめらかな髪へと導きます。
 
濃厚なテクスチャーでありながら重たくなりすぎず、毛先までしっとりまとまるなめらかな仕上がりが1日中続くアイテムです。

【PANTENE（パンテーン） ディープダメージリペアヘアマスク】
1,080円（税込） 編集部調べ

「トリートメントの素」は、羊毛由来の「加水分解ケラチン*¹」と「アミノ酸*²」が高配合された、インバスタイプの補修用濃縮美容液です。
普段使っているトリートメントに混ぜて使用することで、髪にハリ・コシ・ツヤを与え、サロン帰りのような仕上がりを叶えます。

また、NMF（天然保湿因子）由来のアミノ酸*²やPCA-Na*³も配合されているので、乾燥によるパサつきが気になる髪にも、うるおいを与えやすい仕様です。

【BS-COSME（ビーエスコスメ） トリートメントの素・100mL「髪のNMF原料混合液」】
1,890円（税込） 編集部調べ

「ケラチンブースターミスト」は、4種の加水分解ケラチン*が配合された、スキンケア発想の導入型ヘアミストです。インバス・アウトバスどちらでも使える設計で、カラーやパーマなどで傷んだ髪を補修し、しなやかでツヤのある髪へ導きます。

美容オイル層と美容液層をよく振って混ぜて使うスプレータイプで、手軽に使いやすいのも魅力。タオルドライ後のケアはもちろん、シャンプー後のトリートメント前に使う導入美容液としても活躍します。

【myBoostars（マイブースターズ） ケラチントリートメント】
1,848円（税込） 編集部調べ

「アンレーベル KRコントロール ヘアミルク」は、補修成分の「超高圧*²浸透型ストレートケラチン*¹」や「ジマレイン酸*³」が配合された、洗い流さないタイプのヘアミルクです。髪の内部と表面に同時にアプローチすることで、たんぱく質を補いながら形状を整えます。

高い保湿性がありながらベタつかず、毛先までサラッとなめらかな仕上がりが続くアイテムです。うねりやクセを整え、まとまりとツヤを与えながら、指通りのよいストレート髪へ導きます。

【unlabel LAB（アンレーベルラボ） アンレーベル KRコントロール ヘアミルク】
1,650円（税込） 編集部調べ

ケラチン自体は髪の主成分であるたんぱく質の一種であり、通常は頭皮に悪影響を与える成分ではありません。しかし、トリートメントに含まれる防腐剤や香料、界面活性剤などの他の成分が原因で、稀にかぶれやかゆみなどが起こる場合もあります。

とくに敏感肌の方やアレルギー体質の方は使用前に成分表示を確認し、必要に応じてパッチテストを行うなど、慎重に選びましょう。
また、使用中に違和感を覚えた場合はすぐに使用を中止し、必要に応じて皮膚科などの専門機関へ相談してみてください。

ケラチン自体に発がん性があるという報告はありません。しかし過去には、ケラチンを髪に強く定着させる目的で、高温処理時に「ホルムアルデヒド」を発生させる成分が使用されていた製品が一部存在していました。とくに、海外製の一部のアイテムでそのような仕様が確認され、不安の声が広がった背景があります。

ホルムアルデヒドは、かつて防腐剤などに使われていた成分で、長期間にわたる曝露によって発がん性があることが確認されています。そのため現在では、日本国内の化粧品基準においてホルムアルデヒドの「配合」や「販売」は禁止されており、安全性が確保された製品のみが流通しています。
なお、海外製のアイテムを使用する場合は、成分表示やメーカーの公式情報を確認し、自分で安心して使えるかどうかを見極めるようにしましょう。

ケラチン配合のトリートメントは、髪のハリやコシ、なめらかさをサポートするアイテムとして人気がありますが、その効果は永久に続くわけではありません。
髪は日々伸びて生え変わるため、補修された部分も時間の経過とともに徐々に効果が薄れていきます。
そのため、仕上がりを保ちたい場合は、定期的なメンテナンスと日々のホームケアが欠かせません。とくに施術後は、ケラチンの流出を防ぐシャンプーやコンディショナーを選ぶのがポイントです。

なかでも、硫酸塩（サルフェート）不使用のアイテムは洗浄力がやさしく、髪への負担が少ないため、ケラチンの効果をより長く保ちやすいとされています。きれいな状態を持続させるには、日常的なケアやアイテム選びにも意識を向けることが大切です。

自宅で使用する市販のケラチン配合トリートメント（洗い流すタイプ・洗い流さないタイプ）については、アイテムに記載されている使用頻度を必ず確認しましょう。
「毎日使用可能」と明記されているものであれば、日常的に取り入れても問題ありません。

一方、美容室で施術される高濃度のケラチントリートメント（熱処理を伴う施術）は、髪の構造に直接働きかけるという特性上、過度な施術はかえって髪に負担をかけるおそれがあります。
そのため、ご自身の髪質やダメージの程度に応じて1ヶ月半〜3ヶ月に1回を目安としつつ、美容師から提案された頻度で通うのが理想です。

ケラチンは髪の主成分であり、ハリやコシ、なめらかさを保つために欠かせない成分です。紫外線やカラー、熱などの影響で失われると、パサつきや枝毛、切れ毛といったダメージが目立ちやすくなります。
そのような髪の悩みにアプローチできるのが、ケラチン配合のトリートメントです。髪の内側に不足したケラチンを補うことで、芯から補修し、しなやかで扱いやすい髪へ導きます。
最近では市販でも高品質なアイテムが増えており、自宅で手軽に本格的なケアが可能です。香りやテクスチャー、仕上がりの好みに合わせて、ご自身の髪質に合うトリートメントを選んでみましょう。毎日のヘアケアがもっと心地よくなり、髪の印象もきっと変わっていくはずです。