ドライヤーを使うときの温度の目安は、70℃～80℃が理想です。

しかし、一般的なドライヤーの温度は100℃～120℃と、上記の温度より高い傾向にあります。ドライヤーを髪に近づけすぎたり、長時間同じ箇所に風を当て続けたりするなど、使い方によっては髪を痛める要因につながってしまう可能性もあるため注意が必要です。

なるべくドライヤーで髪を傷めないようにするには、このあと解説するドライヤーのNGな使い方や正しく使うためのポイントを知って、日頃から適切な使い方を心がけましょう。

また、自分でドライヤーや髪の温度を把握することはなかなか難しいため、自動で温度調節してくれるドライヤーの使用もおすすめです。

ドライヤーの適切な温度は、髪質によっても異なります。

髪質がやわらかい方やすでに髪が傷んでいるという方は、熱によるダメージを受けやすい傾向があるため、低めの温度設定がおすすめです。

逆に毛が太く、硬く、しっかりとした髪質の方は、熱によるダメージを受けにくい傾向がありますが、高温で当て続けても大丈夫というわけではありません。温度が一箇所に偏ったり、ドライヤーの使用時間が長くなったりしないように気をつけてください。

ドライヤーの温度を高くしすぎてしまうと、髪を傷めてしまう可能性があります。

髪の毛を早く乾かすために、ドライヤーの温度を高温に設定する方も多いかもしれません。しかし、髪の毛の大部分はタンパク質でできているため、ドライヤーの熱によってタンパク質の機能が失われる「タンパク質変性」という状態になってしまいます。

また、熱によって髪が乾燥しすぎるとキューティクルが損傷し、指通りが悪くなりやすいため注意が必要です。

温度調節できるドライヤーを使用している場合は、適切な温度で乾かすことを意識しましょう。なかには、センサーが搭載されていて、髪の温度を感知して自動で温度を調節してくれるドライヤーもあります。

一方、温度調整ができないドライヤーを使用している場合は、髪に近づけすぎないように気をつけましょう。

ドライヤーで髪を乾かすときに、同じ箇所に風を当て続けることは避けましょう。

なぜなら、同じ箇所に風を当て続けると、乾き方にムラができてしまうからです。とくに生乾きの部分は、摩擦によってキューティクルが剥がれやすく、髪がダメージを受けやすい状態になります。

また、温風による熱が一箇所に集中することで、髪の温度が上がってしまうことにも注意が必要です。髪全体に風が行き渡るように、ドライヤーを小刻みに揺らしたり、手ぐしで風の通り道を作ったりしましょう。

ドライヤーを使用する時間は、なるべく短くするように心がけましょう。

理由としては、長時間にわたって髪を乾かすと、風による摩擦で髪にダメージを与えてしまう可能性があるからです。とくにお風呂上がりで濡れた髪の毛は水分を多く含んでおり、ダメージを受けやすい状態となっています。

また、髪を乾かしすぎると髪が痛むだけでなく、頭皮の水分まで奪ってしまうこともあるため注意が必要です。頭皮が乾燥すると肌トラブルにもつながるので、基本的に長時間ドライヤーを使うことは避けましょう。

髪とドライヤーの距離が近いと、髪に熱によるダメージを与えてしまったり、乾燥によって髪がパサついたりしてしまいます。髪とドライヤーの距離は、15cm程度離しましょう。

また、距離が近ければ近いほど風が当たる範囲も狭くなるため、乾き方にムラができやすいです。

乾き方にムラができるとドライヤーを使う時間も必然的に長くなってしまうため、長時間ドライヤーを使用することになります。前述のとおり、ドライヤーの長時間使用は髪を傷める原因につながる可能性があるため、髪とドライヤーの適切な距離を保ちながらまんべんなく風を当てるように心がけましょう。