髪を自然乾燥する場合はドライヤーを使用しないため、電気代の節約につながったり、熱によるダメージを軽減できたりするメリットがあります。
しかし、ヘアケアの観点において、自然乾燥によるメリットは基本的にほとんどありません。

自然乾燥で電気代を節約できても、次でご紹介するようなデメリットによって傷んだ髪をメンテナンスするために、かえって美容代がかさむ可能性があります。
次からは、自然乾燥による具体的なデメリットを詳しくみていきましょう。

自然乾燥によるデメリットのひとつは、頭皮や髪に雑菌が増えやすくなることです。
頭皮や髪には、「皮膚常在菌」という菌がいて、そのなかにはマラセチア菌などのカビ菌も含まれています。雑菌は濡れている状態を好むため、自然乾燥による生乾き状態の頭皮や髪に繁殖してしまうのです。

なお、皮膚常在菌には悪い菌を死滅させる効果などがあり、基本的には私たちに必要な菌となります。しかし、雑菌が繁殖して皮膚常在菌のバランスが崩れると、ニオイやふけ、かゆみなどの頭皮トラブルにつながる恐れがあるため、注意が必要です。

続いて、髪や頭皮が乾燥しパサつきやすくなることも、自然乾燥によるデメリットのひとつです。
自然乾燥をすると、髪内部の水分や栄養分を失うだけではなく、頭皮の乾燥にもつながります。
理由は、髪が濡れているとキューティクルが開いた状態になり、髪内部の水分や栄養分が蒸発してしまうからです。

適切な温度や時間を守って髪を乾かさないと、水分がどんどん蒸発し、髪のうるおいが失われてしまいます。また、体の皮膚はすべてつながっていることから、頭皮の乾燥は顔の肌の乾燥にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

自然乾燥の3つ目のデメリットは、寝癖やうねりの要因につながることです。
自然乾燥をすると、根元が生乾きの状態になるため、髪の内部の水分バランスが失われてしまいます。水分バランスを失った髪は、外部の影響を受けやすく、寝癖やうねりがつきやすくなってしまうのです。

また、髪の流れやクセづけは、髪が乾く際に起こる水素結合によって決まります。自然乾燥中や寝ている間に水素結合が起こると、思わぬ癖やうねりが生じてしまうかもしれません。
髪に寝癖やうねりがつきやすくなってしまうと、朝のセットに時間がかかったり、ヘアアイロンを長時間使用することによって髪に負担を与えたりなど、その他のデメリットにもつながります。

ここまでお伝えしてきたデメリットからも、濡れた髪は自然乾燥ではなく、ドライヤーを使って乾かすのがおすすめです。
最近では、熱による負担を抑える機能や、髪にうるおいを与えるヘアケア効果を備えたドライヤーも多く登場しています。また、正しい乾かし方を取り入れることで、さらに健やかな印象の美髪を叶えることも可能です。

次でご紹介する内容をもとに、ドライヤーによる正しい乾かし方を学んでいきましょう。

お風呂から出たあとは、なるべくすぐに髪を乾かすことが重要です。しかし、いきなりドライヤーをあてるのではなく、タオルドライをすることから始めましょう。

これは、先にタオルドライをすることで、ドライヤーの使用時間を短縮できるメリットがあるからです。また、ドライヤーの使用時間を短縮できることにより、熱や風による髪へのダメージも軽減できます。

なお、タオルドライをするときに強く擦ると、髪のキューティクルが剥がれダメージの原因になってしまうため注意が必要です。タオルで髪を少量はさみこみ、やさしくたたくようにして水分をとりましょう。

ドライヤーで髪を乾かすときに、まずは一番乾きにくい根元から乾かしていきましょう。根元を乾かすうちに毛先の水分も飛んでいくため、全体的な時間短縮にもつながります。

このとき、温度調節ができるドライヤーを使用する場合は、温度を上げすぎないように注意してください。

髪を傷めないための適切な温度は、髪質にもよりますが70℃～80℃程度です。一般的なドライヤーの温度は100℃～120℃であるため、髪から10cm〜15cm離して、熱い風をあて過ぎないようにしましょう。

根元が乾いてきたら、髪の内側や毛先を乾かします。手ぐしでやさしく髪を広げ、風の通り道を作りましょう。

とくに毛先はダメージを受けやすいため、長時間風をあてたり、強くひっぱったりしないよう注意してください。

また、同じ箇所にドライヤーをあてすぎると熱が上がってしまい、髪へのダメージにつながる可能性があります。乾燥のしすぎにより、髪のパサつきや頭皮の乾燥にも影響するため、なるべく髪全体にまんべんなく風をあてるようにしましょう。

最後に冷風をあてると、熱で広がったキューティクルを整えてくれるので、ツヤのある仕上がりに近づけます。

また、冷風で髪を冷やすことで、濡れたままの毛や乾き残しの毛を見つけやすくなるのもメリットです。

その後のドライヤーでの仕上げの際には、ブラッシングをするのをおすすめします。8割ほど乾いた髪に弱冷風でブラッシングを行うと、より整ったスタイリングに仕上げられるからです。

髪をきれいに保つには、ご自身の髪質に合ったシャンプーを使用することが大切です。

シャンプーにはさまざまな種類がありますが、うねりが出やすい、ごわつきやすい…などのお悩みから髪質に合ったシャンプーを使うことで、よりしなやかな髪を目指せます。

また、髪質だけではなく、肌質に合わせた洗浄力の高さに着目して選ぶことも重要です。自分に合うシャンプーの選び方は、次の記事を参考にしてみてください。

髪を洗うときには、シャワーの温度にも注意が必要です。

温度が高いと頭皮が乾燥したり、余分な皮脂まで落としてうるおいが失われたりする可能性があります。髪を洗うときの温度は、36℃〜38℃を目安にしましょう。

余分な皮脂を適度に落としながら、頭皮と髪にダメージを与えない温度で髪を洗うことを意識してみてください。

次のようなヘアケア機能が充実したドライヤーは、美髪を保つための心強い味方です。

アイテムによって、搭載されている機能はさまざまですが、ご自身の悩みや目的に合わせた機能があるドライヤーを選んでみましょう。

ヘアオイルやトリートメントは、毛先にうるおいやツヤを与えることに加えて、ドライヤーの熱から髪を保護する効果があります。
ドライヤーの前に使うものや寝る前に使うもの、朝起きてヘアアイロンの前に使うものなど、用途に合わせて活用するのがおすすめです。

とくに、濡れた髪は熱によるダメージを受けやすい状態なので、外的ダメージからなるべく髪を保護するためにも、ドライヤー前はヘアオイルやヘアトリートメントを使うとよいでしょう。

きれいな髪を目指すには、髪のケアだけではなく、健康状態にも気をつけることが重要です。十分な睡眠をとったり、適度な運動をしたりするなど、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
また、栄養バランスのとれた食生活を意識することも、髪をきれいに保つためにはかかせません。タンパク質やビタミン、ミネラルなど、肌や髪のもととなる栄養素を摂取することを意識してみてください。

ハリのある肌や髪を目指すために必要なコラーゲンや、コラーゲンの生成を促すビタミンC、髪に栄養を送る血液を作る鉄分などを摂取するのもおすすめです。

「エアー トリートメント ドライヤー」は、速乾性とヘアケアの両立を叶えるドライヤーです。髪の内側から効率的に熱を伝える「遠赤外線」と、大風量の「立体風」を組み合わせた独自の構造が採用されています。

ドライ時間を約72%短縮*させることにより、髪への負担を軽減し、しっとりとしたうるおいのある印象に導いてくれるのが魅力。さらに、温度・風量は10通りに調整可能です。
まとまりがありながらも、ふんわりサラッとした仕上がりを叶えたい方におすすめします。

【SALONIA（サロニア） エアー トリートメント ドライヤー】
29,700円（税込） 編集部調べ

「ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0J」は、「スカルプ（地肌）モード」や「スキンモード」の搭載により、髪だけではなく頭皮や肌のうるおいにまでアプローチしてくれるドライヤーです。

独自技術の「高浸透ナノイー」と「ミネラルマイナスイオン」が、たっぷりの水分を髪の内側まで届けることで、まとまりのあるツヤ髪へと導きます。
さらに、1.6m³/分の大風量を実現しているので、速乾性の高いドライヤーを探している方にもおすすめです。

【Panasonic（パナソニック） ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0J】
34,650円（税込） 編集部調べ

「KINUJO Hair Dryer」は、独自の「超遠赤外線」技術が搭載されたドライヤーです。髪の表面だけではなく内側からもじんわりと温めることで、熱によるダメージを軽減しながらスピーディに乾かせます。

さらに、マイナスイオンが髪のうるおいをしっかりキープするので、乾かすたびにしっとりまとまりのある仕上がりに導いてくれるアイテムです。温度は3段階で調整可能で、ドライからスタイリングまで対応できます。「SCULPモード」も搭載されているので、健やかな髪を育むための「土台ケア」を叶えたい方におすすめのモデルです。

【KINUJO（キヌージョ） KINUJO Hair Dryer】
35,200円（税込） 編集部調べ

「モイスチャーイオン™ ヘアドライヤー TDX300A」は、パサつきや広がりを抑えながら、髪にうるおいを届けるヘアドライヤーです。
独自の「モイスチャーイオン™」機能により、水分を含んだマイナスイオンが髪に働きかけるため、乾かすたびにしっとりとまとまりのある仕上がりを叶えられます。

温度は「HOT」「温冷モード」「COOL」の3段階に調整可能です。「温冷モード」では温風と冷風を自動で切り替えることで、過乾燥を防ぎながら髪のツヤ感を引き出してくれます。
髪の広がりや静電気が気になる方におすすめのモデルです。

【TESCOM（テスコム） モイスチャーイオン™ ヘアドライヤー TDX300A】
14,300円（税込） 編集部調べ

他にも、ヘアケアや速乾などの機能に優れたドライヤーをチェックしたい方は、次の記事もチェックしてみてください。

「モロッカンオイルトリートメント」は、「アルガンオイル」をはじめとする保湿成分が、髪にうるおいとツヤを与えるヘアオイルです。洗い流さないトリートメントとして、スタイリングのベースや仕上げに使用できるため、まとまりのある仕上がりが叶えられます。

どんな髪質でも使いやすい他、ベタつかない軽やかな使い心地を実現しているのも魅力です。

【MOROCCANOIL（モロッカンオイル） モロッカンオイルトリートメント】
5,500円（税込） 編集部調べ

「スタイリングオイル＜ウェット＞」は、ヘアアイロン前のプレケアとしても使える、洗い流さないタイプのスタイリングオイルです。うるおいを与える保湿成分として「コメヌカ油」「ホホバ油」「アンズ油」の3種のオイルが配合されているので、乾燥しがちな毛先にまでツヤと束感のある仕上がりを演出してくれます。

清潔感のあるナチュラルハーブの香りも特徴的で、朝のスタイリング時間を心地よく過ごせるのも魅力。アイロンやコテの熱によって髪のキューティクルに働きかけられるので、ダメージをなるべく抑えながらスタイリング行いたい方にもおすすめします。

【SALONIA（サロニア） スタイリングオイル（ウェット）】
1,760円（税込） 編集部調べ

「ジェミールフラン メルティバター」は、夜用の洗い流さないトリートメントです。ドライヤーの熱で溶けて、冷えると固まるといった「モイストモリンガバター*」の特性により、寝ている間に髪の形状を記憶することで、朝の寝ぐせや絡まりを抑えてくれます。

ラ・フランスから始まり、ジャスミン、ムスクへと変化する香りで、心地よくヘアケアを行えるのも魅力です。乾燥によるパサつきやごわつきをケアしたい方はもちろん、忙しい朝のスタイリングの時短を叶えたい方にもおすすめします。

【milbon（ミルボン） ジェミールフラン メルティバター】
2,420円（税込） 編集部調べ

「エッセンスインヘアミルク」は、美容液発想から生まれた洗い流さないヘアトリートメントです。「ヒートプロテイン*」が、ドライヤーの熱を活用して「擬似キューティクル」を形成することで、髪の表面を保護してくれます。

さらに、毛髪保護成分の「高保水ミルク」が、パサつきやダメージが気になる部分にうるおいを与えて補修してくれるのもポイント。髪表面をなめらかにコーティングするため、使うたびにしっとりとまとまりやすい髪の手触りを体感できるアイテムです。

【ORBIS（オルビス） エッセンスインヘアミルク】
1,320円（税込） 編集部調べ

他にも、さまざまなヘアオイルを探してみたいという方は、ぜひ次の記事もチェックしてみてください。

濡れた髪を自然乾燥することはメリットよりもデメリットが大きいため、お風呂上がりはしっかりドライヤーを使用するのがおすすめです。
ドライヤーの正しい使い方を知り、ヘアケア効果が期待できるアイテムを使うことが、健康的な美髪に近づく第一歩といえるでしょう。
日ごろのヘアケアとあわせて、温度調節機能やマイナスイオン、遠赤外線などの機能が充実したドライヤーを使うことでさらに美髪が目指せるので、今回ご紹介した商品もぜひチェックしてみてくださいね。