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セラミドにはどんな「効果」がある?潤い肌を保つために知っておきたい種類や役割とは
冷えと乾燥の季節はとくに、潤い肌を保つためにスキンケア品選びが大切。「セラミド」は、保湿系のスキンケア化粧品によく使われる成分です。デパコスにもプチプラコスメにもよく使用され、なんとなく保湿効果の高い成分として認識はしていても、セラミドの効果や種類までは詳しく知らない方も多いのでは?この記事では、スキンケア品選びに役立つセラミドの種類や役割、効果的な使い方まで徹底解説します。
【セラミドの効果と役割】知っておきたい肌のバリア機能とは
肌のバリア機能とは「健やかな肌を保つメカニズム」のこと

セラミドの優れた役割を知るうえで、まず理解しておきたいのは肌のバリア機能です。バリア機能が働いているのは、肌表面の角質層部分。角質層は厚さがたったの約0.02mmで、ラップ1枚分の厚みしかない非常に薄い組織です。
角質層の役割は主に「保湿」と「保護」。角質層細胞と角質層細胞が互いに重なり合いながら肌内部の水分が蒸発することを防いだり、外部刺激から肌内部に侵入するのを防いだりしています。これが、バリア機能のメカニズムです。
肌の角質層部分に存在するセラミドの効果と役割とは

セラミドは、角質層細胞と角質層細胞の間に存在しています。角質層細胞と角質層細胞の間には「細胞間脂質(さいぼうかんししつ)」という潤い成分で満たされており、その約50%がセラミドで構成されているのです。細胞間脂質は角質層細胞と角質層細胞がバラバラにならないように接着する、のりのような役割を担っています。
健やかな角質層構造には、細胞間脂質のはたらきが欠かせません。また細胞間脂質そのものが角質層の潤いのもとであり、肌表面の「ツヤ感・透明感・ハリ感」を決める美容上の大切な役割を担っています。
セラミドが不足すると発生しやすい肌悩みとは?

細胞間脂質の約50%を占めるセラミドが不足すると、まず「乾燥」が起こります。そもそも細胞間脂質は角質層の潤いのもとなので、不足するとカサついたり、肌表面が粉をふいたりすることも。乾燥が進むと、目元や口元に小ジワも出やすくなります。
さらに、肌表面の乾燥からバリア機能が弱って敏感肌につながる可能性も。いつもの化粧品がしみる、少しの摩擦でも赤くなるときは敏感肌に傾いているので要注意です。炎症はメラニンを作る工場「メラノサイト」を刺激するので、敏感肌が慢性化するとシミにもつながります。
セラミド成分配合の化粧品は本当に効果的なの?

セラミド配合の化粧品を使用することで、肌への効果は期待できます。セラミド化粧品に期待できる役割は大きく2つです。
- (1)角質層に浸透し潤いを補う「保湿効果」
- (2)角質層のバリア機能を高める「保護効果」
ほかにも保湿力や保護力を高めることで、敏感肌を落ち着かせる効果、乾燥によるシワを目立たなくする効果、炎症によるシミをできにくくする効果なども期待できます。ただしセラミド成分は大きく4種類あり、求める効果や役割によって化粧品成分を見極めるとよいでしょう。
セラミド成分の種類とは?肌への効果と違いを解説
セラミド成分の種類1【合成セラミド】の効果とは

合成セラミドは、セラミドに類似した粒子を化学的に作り出した美容成分のことを指します。石油などから合成され、大量生産が可能な合成セラミドはほかのセラミド成分よりも低価格。
私たちが本来持っているセラミドとは一部構造が異なるので、保湿効果などの美容効果もやや低いと考えられています。疑似セラミドとも呼ばれ、プチプラ化粧品などにもよく使用される成分です。合成セラミドは、「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」といった化学名で成分表示をされます。
セラミド成分の種類2【ヒト型セラミド】の効果とは

ヒト型セラミドは酵母などを使って、人間が持つセラミドに似た構造になるように作られています。ヒトの持つセラミドに近しい構造に作られているので、角質層への浸透や保湿効果も高いです。
ヒト型セラミドは『天然セラミド』とも呼ばれ、化粧品成分のなかでは高級な部類とされています。化粧品の全成分表示で『セラミド』と表示できるのは、ヒト型セラミドだけです。数種類あるので「セラミド2」や「セラミド3」など、『セラミド+数字』で表示されます。
セラミド成分の種類3【動物性セラミド】の効果とは

動物性セラミドは、主にウシ・ウマ・ブタなどの脳や脊髄から抽出された成分で作られています。人間のセラミドと構造が似ているため、角質層への浸透力や保湿効果も高い成分。肌への負担も少なく、バリア機能が弱っている敏感肌の方にもおすすめの成分ですね。
デメリットとしては大量生産が難しいので、ヒト型セラミドと同様に高価な美容成分であること。化粧品の全成分表示では「ビオセラミド」、「セレブロシド」などと表示されています。
セラミド成分の種類4【植物型セラミド】の効果とは

植物型のセラミドはコメ、トウモロコシ、コンニャク、大豆などの植物由来の成分です。植物型セラミドは比較的コスパがよく、プチプラ化粧品などにもよく用いられます。「米ヌカスフィンゴ糖脂質」「ユズ果実エキス」などが植物型セラミドです。
ヒトがもっているセラミドとは一部構造が異なるので、浸透や保湿力はやや低いとされます。メリットは、植物性なので肌にやさしく安価なことです。